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🎮 ゲームのコントローラーはなぜ動きが分かる?かたむきを感じるセンサーのひみつ

ゲーム機がなくても、ペットボトルと水があれば始められる「つながるタネ」です。「なんで?」「なにでできてる?」「なにになる?」の3段で、コントローラーから、耳のおく、スマホ、車まで深めます。どの話にも、子どもが詰まったときのヒントと3択があります。途中で終わっても、その話だけで1つの会話になります。5〜6歳なら、入口 → 1話目 → 4話目の順がおすすめです。

🗺️ このタネの地図

  1. 入口(身の回り)

    • コントローラー
    • 車の中
    • エレベーター
    • 洗濯機の脱水
    • スマホを横にする
    • ゲームのボタン
    • テレビの絵
  2. 1段目・なんで?(性質)

    • おもり — 急に動かすと、おくれる
    • 水 — 入れ物が回っても、とり残される
  3. 2段目・なにでできてる?(素材)

    • シリコンで作る、小さなおもりとばね(MEMS)
    • 充電してくり返し使える電池
  4. 3段目・なにになる?(行き先)

    • 📱 スマホ
    • 👟 歩数計
    • 🚗 車(エアバッグ・横すべりを防ぐ装置)
    • 📷 カメラの手ぶれ補正
    • 🚁 ドローン

📎 寄り道(コラム)— 段には入れず、横に置いた話

  • 宇宙では、体のセンサーがとまどう
  • 充電できる軽い電池(2019年ノーベル化学賞)
  • ブルブルのもとは、かたよったおもり
  • 十字のボタンは、さわって分かる形
  • 1958年、研究所のテニスゲーム

出発点はどこでもかまいません。話は「おもりは、急に動かすとおくれる」と「水は、入れ物が回ってもとり残される」に集まり(1段目)、シリコンで作る小さな部品(2段目)をとおって、スマホや車、カメラに広がります(3段目)。ノーベル賞や歴史の話は段には入れず、寄り道として横に置いています。

入口「コントローラー」から話す

① といかけ

「コントローラーをかたむけたり、ふったりすると、ゲームの中のラケットも同じように動くよね。コントローラーは、自分のかたむきや動きを、どうやって知ると思う?」

💭 答えに詰まったら

「すわったまま、目をつぶって、体を少しかたむけてみて。見ていないのに、かたむいたって分かるよね。だれが教えてくれたのかな?」

それでも出てこないときは、3択にしてみましょう。

  1. ボタンを、こっそりおしている
  2. 中に、動きを感じる部品がある
  3. 中で、水がゆれている

当たっても外れても、「なんでそう思ったの?」と理由を聞いてから②へ進むと会話が続きます。

② かんさつ

ゲーム機がなくてもできる。ペットボトルに水を半分入れ、大人がふたをしっかりしめる。ゆっくりかたむけて、横から水面を見よう。水面もななめになるかな? 次に、いすにすわって目をつぶり、体をゆっくり右や左にかたむけよう(立ってやらない)。

③ たねあかし

目をつぶっていても、かたむいたって分かったね。耳のおくなどに、かたむきを感じるところがあるんだ。ふって遊べるコントローラーの中には、かたむきや動きを感じる小さな部品「センサー」が入っている。ボトルをかたむけても、水面は平らなまま。下に引っぱられる向きを教えてくれるんだ。センサーも、その向きをたよりに、かたむきを知るよ。

✅ ここで終わってもOK(今日のひとこと)ふって遊べるコントローラーの中には、かたむきや動きを感じる小さなセンサーがある。人の耳のおくにも、にた仕事をするところがある。

🌀 もう一歩

「ひもの先に消しゴムをつるして、手をすっと横に動かすよ。消しゴムは、手といっしょに動くと思う? おくれると思う?」

ここで終わらせず、もう一往復すると会話になります。

💬 こう聞かれたら

「どのコントローラーにも、入っているの?」→「入っていないコントローラーもあるよ。ボタンだけで遊ぶものには、いらないからね。ふったり、かたむけたりして遊べるものに入っているんだ」 「センサーは、コントローラーのどこにあるの?」→「中に入っていて、外からは見えないよ。中には電池も入っているから、あけたり、こわしたりしない。見たいときは、図鑑や、作った会社の説明で見よう」 「スマホにも、同じものが入ってるの?」→「入っているよ。スマホを横にすると画面が回るのは、かたむきを感じるセンサーのはたらき。コントローラーのセンサーと同じ仲間なんだ」 「コントローラーは、なんでブルブルするの?」→「ふるえる部品が入っているから。ブルブルする道具には、かたよったおもりを小さなモーターで回すものがあるよ。洗濯機の脱水で、洗濯物がかたよるとガタガタするのと、にているね」 「線をつながなくても動くのは、なんで?」→「中に電池が入っているから。充電して、くり返し使える電池だよ。電池は、あけたり、つぶしたりしない」 「耳のおくのセンサーは、見える?」→「耳のずっとおくにあって、外からは見えないんだ。耳の中に、指や物を入れてさがさないでね」

⚠️ 安全メモ

コントローラーをふるときは、ストラップを手首につけ、まわりに人や物がないか確かめる。画面に目を近づけすぎず、明るい所で遊ぶ。ときどき休けいを取る(メーカーの案内では、めやすとして1時間ごとに10〜15分)。気分が悪くなったら、すぐにやめて大人に言う。遊ぶ時間は、家の人と決める。ゲーム機・スマホ・電池は、分解しない、ぬらさない。ペットボトルのふたは大人がしめる。目をつぶる遊びは、すわって行う。ひもは、ふり回さない、首にかけない。水の観察は、こぼれてもよい所で。

🚪 ほかの入口から話す

その日の場面に合うものを1つ選んで、といかけから始めます。◯が正解ですが、外れても止めずに「おしい、じゃあ確かめてみよう」と続けます。

エレベーターに乗るとき→ おもりはおくれる(1段目・1話目)

「エレベーターが上に動きだすとき、体はどんな感じがすると思う?」

  1. ぐっと重くなった感じ
  2. ふわっと軽くなった感じ
  3. 何も感じない

体は、その場にとどまろうとする。耳のおくは、エレベーターのようなまっすぐの動きも感じる(脳科学辞典)。

洗濯機が回っているとき→ 寄り道(ブルブルのもと)

「脱水のとき、洗濯機がガタガタゆれることがあるよ。どんなときだと思う?」

  1. 洗濯物が、かたよったとき
  2. 水が冷たいとき
  3. 洗剤があわ立ったとき

回る物の重さがかたよると、ふるえる。ブルブルする道具の小さなモーターも同じしくみ(NGK サイエンスサイト)。回っている洗濯機に手を入れない。

スマホで写真を見るとき→ スマホと歩数計(3段目・4話目)

「スマホで写真を出して、たてから横にたおすよ。写真は、どうなると思う?」

  1. 横だおしのまま
  2. くるっと回る
  3. まっ暗になる

かたむきを感じるセンサーのはたらき。画面の向きを固定する設定だと回らない。

ゲームのボタンをおすとき→ 寄り道(十字のボタン)

「ボタンをおすと、コントローラーの中で何が起きると思う?」

  1. 電気の通り道がつながる
  2. 空気がふき出す
  3. 小さなベルが鳴る

ボタンは、スイッチのはたらきをする。おすと、はなれていた電気の通り道がつながって、電気が流れる。

車に乗るとき→ 車とカメラ(3段目・5話目)

「車の中にも、動きを感じるセンサーがあるよ。何のためだと思う?」

  1. ぶつかったとき、人を守る
  2. 坂道で、ねむくならないようにする
  3. タイヤの数をかぞえる

エアバッグや、横すべりを防ぐ装置に使われる(パナソニックの解説)。車の中では、シートベルトをしめてから話そう。

テレビでゲームやアニメを見るとき→ ほかにも(パラパラまんが)

「ゲームの絵は、1秒の間に何まいくらいかきかえていると思う?」

  1. 1まい
  2. 6まい
  3. 60まい

Nintendo Switch は、テレビにつなぐと最大で1秒に60コマ(任天堂の仕様)。まい数はソフトによってちがう。

🔎 もっと知りたい人へ

このタネは、コントローラーから3つの段で深めます。「おもりは、急に動かすとおくれる」「水は、入れ物が回ってもとり残される」(1段目・性質)から、シリコンで作る小さなおもりとばね(2段目・素材)をへて、スマホ・歩数計・車・カメラへ広がります(3段目・行き先)。ノーベル賞や歴史の話は「寄り道」にまとめました。どの段で止まってもかまいません。

🟢 おもりは、おくれる。水は、とり残される1段目・なんで?(5さい〜)

🗣️ 話すなら|つるした消しゴムは、手といっしょに動く?5さい〜

「ひもの先に消しゴムをつるして、手をすっと横に動かすよ。消しゴムは、手といっしょに動くと思う? おくれると思う?」

💭 答えに詰まったら

「まわりに物がない所で、親子で手をつないで立つよ。大人がそっと手を引いたら、手と足、どっちが先に動くかな?」

それでも出てこないときは3択に。

  1. 手といっしょに、ぴったり動く
  2. おくれて、あとからついてくる
  3. 手より先に進む
やってみる

30センチくらいのひもの先に、消しゴムをしっかり結ぶ。まわりに人や物がないか確かめて、ひものはしを持ち、手をすっと横に動かす。ふり回さない、首にかけない。消しゴムは、おくれてついてくる。手を止めると、こんどは消しゴムが行きすぎる。

たねあかし

消しゴムは、おくれたね。物は、急に動かされても、その場にとどまろうとするんだ。動いている物は、急には止まれない。だから、手を止めると行きすぎる。動きを感じるセンサーには、小さなおもりとばねを使うものが多い。センサーが動くと、おもりがおくれて、ばねがのびちぢみする。そのずれを電気で読みとって、動きを知るんだよ。

🌀 もう一歩

「じゃあ、人の耳のおくにも、おもりのような物があると思う?」

耳のおくには、とても小さな石のようなつぶ(耳石)がある。頭がかたむくと、つぶが重さで下のほうへずれる。頭が急に動くと、つぶがとり残されて、ずれる。そのずれで、かたむきや動きを感じているんだ。

✅ ここで終わってもOKおもりは、急に動かすとおくれる。動きを感じるセンサーは、小さなおもりのおくれを読みとっている。

🗣️ 話すなら|コップを回すと、水も回る?小学生〜

「水に小さな紙きれを1つうかべて、コップだけをくるっと回すよ。紙きれも、いっしょに回ると思う?」

💭 答えに詰まったら

「コップが回るとき、中の水は、コップにぴったりくっついているかな? それとも、するっとすべるかな?」

それでも出てこないときは3択に。

  1. コップといっしょに回る
  2. ほとんど回らず、とり残される
  3. しずんでしまう
やってみる

丸いコップに水を半分入れ、水が止まるまで待つ。小さな紙きれを1つ、まん中にそっとうかべる(かべにくっついたら、やり直す)。こぼれてもよい所で、コップをテーブルに置いたまま、すばやく、少しだけ回して止める。コップのもようと紙きれ、どっちがたくさん動いたかな? 紙がなければ、こしょうを少しふってもいい。

たねあかし

コップは回ったのに、紙きれは、あまりついてこなかったね。回しつづけると、水も少しずつ回りだすよ。耳のおくには、液の入った輪の形の管がある。頭が回ると、中の液がおくれて、ずれる。そのずれで、回ったと分かるんだ。コントローラーの「ジャイロセンサー」は、液ではなく、小さな部品をふるえさせておいて、回ったときのずれを電気で読みとるよ。

🌀 もう一歩

「耳のおくの輪は、右の耳にも左の耳にも、3つずつあるよ。なんで3つもあるんだろう?」

3つの輪は、おたがいにほぼ直角に、ちがう向きを向いている。だから、うなずいても、横を向いても、首をかしげても、どの向きの回転も感じとれるんだ。

✅ ここで終わってもOK人は、耳のおくの液のずれで、回る動きを感じる。ふって遊べるコントローラーには、回る動きを感じるジャイロセンサーがある。

↓ ここから下は、親が読むくわしい説明です。

かたむきと、まっすぐの動き(加速度センサー)加速度センサーは、速さが変わるときに物がとどまろうとする力を読みとります。よく使われる方式では、シリコンで作った小さなおもりがばねで支えられていて、おもりが動くと、となりの電極との間の電気のたまり方が変わります。止まっているときも、地球がおもりを下に引っぱっているので、その向きからかたむきが分かります。

回る動き(ジャイロセンサー)ジャイロセンサーは、回る速さを読みとります。よく使われる方式では、小さな部品をふるえさせておき、回転が加わったときに生まれる横向きの力(コリオリの力)から、回る速さを知ります。Nintendo Switch のコントローラー(Joy-Con)には、加速度センサーとジャイロセンサーの両方が入っています。

人の体の場合耳のおくには、回る動きを感じる3つの輪の形の管(三半規管)と、かたむきやまっすぐの動きを感じるところ(耳石器)があります。人は、目と、耳のおくと、体の感覚を合わせて、自分の向きや動きを知ります。

✏️ やってみよう

  • 計算: 輪の形の管は、右の耳のおくに3つ、左の耳のおくにも3つ。合わせると、いくつ?

→ 次の段へ: 「小さなおもりとばねは、何から、どうやって作るの?」

🟡 シリコンの板から作る、小さな機械2段目・なにでできてる?(小学校高学年〜)

🗣️ 話すなら|とても小さなばねは、どうやって作る?小学校高学年〜

「センサーの中のおもりとばねは、とても小さくて、細かい所は目では見分けられないよ。同じ物を1000個作るなら、1つずつ組み立てる? はんこみたいに形を写す?」

💭 答えに詰まったら

「同じ絵を10まいかくのと、スタンプを10回おすのと、どっちが早く終わるかな? 形がそろうのは、どっちかな?」

それでも出てこないときは3択に。

  1. 1つずつ、ピンセットで組み立てる
  2. はんこみたいに、形を写して作る
  3. 大きく作ってから、ちぢめる
やってみる

消しゴムのはんこや、スタンプを紙に10回おしてみよう。同じ形を10個、えんぴつでかくのと、かかる時間をくらべよう。道具がなければ、紙を4つに折って1回だけ切り、開いて同じ形がいくつできたか数える(はさみは大人といっしょに)。

たねあかし

形を写すほうだよ。材料は、石や砂にふくまれる成分から作る「シリコン」の板。そこに光で形を写して、いらない所をけずり、おもりやばねの形をほり出すんだ。こうして作る小さな機械を「MEMS(メムス)」という。動きのセンサーのほかにも仲間がいて、合わせると、スマホ1台に何十個も入っているそうだよ。

🌀 もう一歩

「同じ作り方で、ほかにどんな小さな物が作れると思う?」

インクを飛ばすプリンターの部品などが、同じ仲間だよ。

✅ ここで終わってもOK動きを感じる小さなおもりとばねは、シリコンの板に形を写して、けずって作る。

↓ ここから下は、親が読むくわしい説明です。

シリコンと MEMSシリコン(ケイ素)は、地球の表面近く(地殻)に2番目に多い成分で、ケイ石などから取り出します。MEMS は、半導体と同じように、光で形を写す工程と、けずる工程をくり返して、シリコンの板の上に立体の形を作ります。大きさは、数マイクロメートル(1マイクロメートルは1ミリの1000分の1)から。加速度センサーやジャイロセンサーのほか、インクを飛ばすプリンターの部品などにも使われます。

電池Nintendo Switch の本体とコントローラー(Joy-Con)には、リチウムイオン電池が入っています。軽くて、充電してくり返し使える電池です。分解したり、強い力を加えたり、熱い所に置いたりしないよう、メーカーが注意をよびかけています。

✏️ やってみよう

  • 計算: 1マイクロメートルは、1ミリの1000分の1。5マイクロメートルの部品を200個ならべると、何ミリ?

→ 次の段へ: 「同じセンサーは、ほかにどこで働いている?」

🟣 手の中から、車、空まで3段目・なにになる?(5さい〜)

🗣️ 話すなら|スマホを横にすると、写真は?5さい〜

「スマホで写真を出して、たてから横にたおすよ。写真は、どうなると思う?」

💭 答えに詰まったら

「スマホで写真や動画を見るとき、横にして見たことはあるかな? そのとき、写真はどっち向きだったかな?」

それでも出てこないときは3択に。

  1. 横だおしのまま
  2. くるっと回る
  3. まっ暗になる
やってみる

大人のスマホで写真を1まい出してもらう。すわって、両手でしっかり持ち、たてから横にゆっくりたおす。画面の向きを固定する設定だと回らないので、大人に見てもらおう。

たねあかし

回った? 回らなかった? 回ったなら、スマホが、自分がたてか横かを、センサーで感じたからなんだ。コントローラーのセンサーと同じ仲間だよ。回らなかったら、画面の向きを固定する設定になっているのかもしれないね。

✅ ここで終わってもOKスマホの画面が回るのも、スマホや歩数計の多くが歩いた数をかぞえるのも、動きを感じるセンサーのはたらき。

🗣️ 話すなら|車の中のセンサーは、何をしている?小学生〜

「車の中にも、動きを感じるセンサーがあるよ。何のために入っていると思う?」

💭 答えに詰まったら

「車が急に止まったり、すべったりしたら、乗っている人はどうなるかな? そのとき、車に何をしてほしいかな?」

それでも出てこないときは3択に。

  1. ぶつかったとき、人を守る
  2. 坂道で、ねむくならないようにする
  3. タイヤの数をかぞえる
やってみる

車に乗ったら、シートベルトをしめてから、走りだすときと止まるときの体の感じをくらべよう。背中がシートにおされるのは、どっち?

たねあかし

車は、ぶつかったときの強い動きをセンサーで感じて、エアバッグをふくらませるんだ。すべりそうな動きを感じて、車を助ける装置もある。カメラは、手のゆれを感じて、写真のぶれをへらしているよ。

🌀 もう一歩

「宇宙では、体のかたむきセンサーはどうなると思う?」

重さをほとんど感じない宇宙では、耳のおくの感じ方が地上と変わるんだ。気分が悪くなる人もいるけれど、何日かすると、なれていくそうだよ。

✅ ここで終わってもOK動きを感じるセンサーは、車で人を守り、カメラのぶれをへらすのにも使われている。

↓ ここから下は、親が読むくわしい説明です。

🚗 車加速度センサーはエアバッグのシステムに、ジャイロセンサーは横すべりを防ぐ装置(ESC)や、カーナビが車の向きを知るのに使われています。MEMS のセンサーは、1990年代から自動車に使われ、その後、スマホやゲーム機、ドローンに広がりました。

📷 カメラ・👟 歩数計・🚁 ドローンカメラの手ぶれ補正は、ジャイロセンサーや加速度センサーでカメラの動きを感じとり、それを打ち消すようにレンズやイメージセンサーを動かします。歩数計には、ふりこで数える方式と、加速度センサーでゆれを感じて数える方式があります。ドローンは、センサーで自分のかたむきや回る動きを感じて、姿勢を保ちます。

📎 寄り道(コラム)

段の本筋を読まなくても、1本ずつで読める寄り道です。宇宙、電池、ブルブル、十字のボタン、昔のゲーム。コントローラーにつながる話を集めました。

寄り道1・宇宙では、どうなる?

宇宙では、体のセンサーがとまどう

地上では、人は、目と、耳のおくと、体の感覚の3つを合わせて、自分の向きを知っています。ところが、重さをほとんど感じない宇宙では、耳のおくの小さなつぶ(耳石)が少しうき上がり、感じ方が地上と変わると考えられています。JAXA によると、宇宙に着いてから数分から数時間のうちに、気分が悪くなる人がいて、「宇宙酔い」とよばれます。ふつう3日から5日のうちにおさまりますが、原因はまだ完全には分かっていません。おもしろいのは、回る動きのほう。宇宙でも、体を回すと耳のおくの液はおくれて動くので、目をつぶっていても、回っていることは分かるそうです。

寄り道2・線がいらないわけ

充電できる軽い電池(2019年ノーベル化学賞)

コントローラーやスマホを、線をつながずに使えるのは、軽くて、充電してくり返し使えるリチウムイオン電池のおかげです。1970年代、スタンリー・ウィッティンガムさんが、リチウムを使う電池の土台を作りました。ただ、この電池はあつかいがむずかしいものでした。1980年、ジョン・グッドイナフさんが、電池のプラスがわに別の材料を使うと、約4ボルトの強い電池になることを示しました。1985年、吉野彰さんが、マイナスがわに炭素の材料を使い、製品にできる電池を作りました。売り出されたのは1991年です。リチウムのつぶ(イオン)が、プラスがわとマイナスがわを行ったり来たりするしくみで、何百回も充電できます。3人は、2019年のノーベル化学賞を受けました。

寄り道3・家の中のそっくりさん

ブルブルのもとは、かたよったおもり

洗濯機の脱水で、洗濯物がかたよると、ガタガタと大きくゆれることがあります。回る物の重さがかたよっていると、回るたびに引っぱられる向きが変わり、全体がふるえるからです。このふるえを、わざと使う部品があります。小さなモーターの軸に、半月の形のおもりをつけたものです。回すと、モーターごとブルブルふるえます。携帯電話のマナーモードや電動歯ブラシ、ゲーム機などのブルブルに、このしくみが使われてきました。回っている洗濯機のふたをあけたり、手を入れたりしないでね。

寄り道4・指でさわる工夫

十字のボタンは、さわって分かる形

花札やトランプを作っていた京都の会社・任天堂は、1980年に、手のひらにのるゲーム機「ゲーム&ウオッチ」を発売しました。1982年に出たシリーズでは、上下左右を1つのボタンで入力する「十字ボタン」が登場します。開発した人たちは、手元を見なくても指でさわって分かるように、まん中を少しへこませたと話しています。形を決めるまで、試作品を何度もけずり直したそうです。ボタンは指の動きを、センサーは手の動きを、電気の合図に変えます。どちらも、人の動きをゲームに伝える入口です。

寄り道5・むかしのゲーム

1958年、研究所のテニスゲーム

1958年10月18日、アメリカのブルックヘブン国立研究所で、見学に来た人たちのために、2人で遊ぶテニスのゲームが出されました。作ったのは、研究所の物理学者ウィリアム・ヒギンボーサムさん。画面は、電気の波を見る装置(オシロスコープ)の、直径5インチほどの画面でした。横から見たコートとネットが線でかかれ、光る点のボールがはねます。遊ぶ人は、ボタンとダイヤルのついた箱で、打つ向きを決めました。見学の人たちは、長い列を作ったそうです。これが最初のテレビゲームかどうかは、何をテレビゲームとよぶかで答えが変わります。もっと前に作られた装置もあるからです。研究所は、このゲームを「いまのテレビゲームの先がけ」としょうかいしています。

入口はペットボトルの水面と、目をつぶった自分の体。真ん中は「おもりはおくれる」「水はとり残される」の2つ。出口は、スマホにも、車にも、カメラにもつながります。コントローラーの中に、自分の耳のおくとにた仕事をする部品があると気づく瞬間が、このタネのゴールです。

📘 加速度センサー
速さの変わり方(加速度)や、かたむきを読みとる部品。小さなおもりがばねで支えられ、おもりのずれを電気で読みとる方式がよく使われる。スマホやゲーム機、車のエアバッグなどに入っている。
📘 ジャイロセンサー
回る速さを読みとる部品。角速度センサーともいう。ゲーム機のコントローラーやスマホ、カメラの手ぶれ補正、車の横すべりを防ぐ装置、ドローンなどに使われる。
📘 MEMS
メムス。半導体と同じような作り方で、シリコンの板の上に作る、動く部分を持ったとても小さな機械。加速度センサーやジャイロセンサー、プリンターのインクを飛ばす部品などがある。

✏️ やってみよう

(1) ゲームの絵を、1秒に60まいかきかえるよ。1分では、何まい?

こたえを見る

60×60=3600 なので、3600まい。

(2) 1マイクロメートルは、1ミリの1000分の1。5マイクロメートルの部品を200個ならべると、何ミリ?

こたえを見る

5×200=1000マイクロメートル。1000マイクロメートルは1ミリなので、1ミリ。

🔗 ほかにも

ゲームの絵が動いて見えるのは、パラパラまんがと同じ。少しずつちがう絵を、すばやくかきかえている。テレビにつないだとき、最大で1秒に60まいの絵を出せるゲーム機もある。

この続きは、毎日1つ届きます。

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